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小さなお店のキャッシュレス決済導入

 現金以外の手段で代金の決済をすることを「キャッシュレス決済」と呼び、クレジットカード決済、電子マネー決済、コード決済(QRコード、バーコード)など様々な種類があります。
 新型コロナウイルスの蔓延で買い物の決済時で「非対面」「非接触」を望む動きに加え、各社のポイントアップキャンペーンもあって、キャッシュレス決済が急成長しています。
 事象者の側も、キャッシュレスに対応すると数パーセントの決済手数料がかかるので導入に消極的でしたが、PayPayなどの決済手数料無料キャンペーンで始めたという店舗は少なくありません。
 ところが、手数料無料キャンペーンが終了した後、キャッシュレス対応をやめたという話はあまり耳にしません。レジの手間が省けるだけでなく、ポイントを気にする消費者への配慮が大きいと思われます。
 海外からの渡航客が多い店舗、高額商品が多い店舗は、既にクレジットカードへの対応は済んでいるでしょう。電子マネー決済やコード決済は少額決済に向いており、これらの普及は小規模な店舗にも対応を求められています。

普段の支払い方法に関するグラフ
(複数回答)
最も利用しているQRコード決済サービスに関するグラフ
MMD研究所「2022年1月スマートフォン決済(QRコード)利用動向調査」

ここでは、キャッシュレス決済の導入を簡単な方法から紹介していきます。

(1)ユーザースキャンでのコード決済を導入

 コード決済には、お客様が自分のスマホで店舗のQRコードを読み取る「ユーザースキャン」方式と、店舗が機器を使ってお客様のQRコードを読み取る「ストアスキャン」方式の2通りがありますが、ここでは導入がもっとも簡単なユーザースキャン方式をご紹介します。
 ユーザースキャンは、店頭にお店のQRコードを表示しておき、お客様はそのコードをスマホで読み、金額を入力して支払います。その結果の画面を店舗の方に見せて確認してもらいます。
 設備投資は何もいりません。QRコードを印刷した紙を用意するだけです。
 コード決済を「個別契約」で導入すると、基本的に「ユーザースキャン」で決済を受け付けることになります。例えば「PayPay」を導入するのに、PayPayの公式サイトから直接申請して契約する方法です。「決済代行サービス」を介してコード決済を導入するより、初期費用や決済手数料を抑えられます。
 ホームページから申し込むと、必要なキットが送られてきますので、簡単にスタートでき、利用状況は専用のホームぺージで確認できます。

PayPay d払い 楽天ペイ au PAY
QRコードの例
初期費用 無料 無料 無料 無料
月額費用 無料 無料 無料 無料
決済手数料 1.76%
or
2.178%
2.86% 3.24% 2.86%
振込手数料 無料~220円 無料 or 200円 無料 or 330円 無料 or 210円
入金サイクル 最短翌日 月1回 or 2回 最短翌日 最短翌々日
利用者数(2022/6) 4900万人 非公開 3943万人 2830万人
WEBサイト PayPay d払い 楽天ペイ au PAY
※2022年9月現在の情報。料金は税込表示。

(2)マルチ決済端末の導入

 クレジットカード払い、Suicaなどの電子マネー、コード決済をカバーするなら、決済代行サービス(決済ゲートウェイサービス)業者の提供するマルチ決済端末を導入するのが良いでしょう。  各社、対応できるキャッシュレスに違いがあります。決済手数料は個別契約より高くなり、入金サイクルにも差があります。店舗の実情に合わせて選択してください。
 決済手数料の安いPayPayだけ個別契約とする方法もあります。
 ここでは、クレジットカード決済、電子マネー決済、コード決済の多くに対応している決済サービスを紹介します。

AirPay
エアペイ
PAYGATE
スマレジ
Stera pack
ステラパック
初期費用
(端末代金)
20,167円
(キャンペーンで無料貸与)
無料 無料
月額料金 無料 3,300円 3,300円
決済手数料 3.24%~3.74% 3.24%~ 2.7%~3.74%
振込手数料 無料 要問合せ 無料or
220円
入金 月1回~月6回 月1回・月2回 月2回・月6回

QR 12 8 9
電子マネー 11 14 14
クレジット 7 7 7
導入日数 2週間 約2か月 約1ヶ月半
接続 iPad/iPhoneが必要 WiFi/4G LAN
プリンター なし 内蔵 内蔵
電源 充電 充電 AC
POSレジ対応 エアレジ(AirREGI) スマレジ POS機能を追加
WEBサイト AirPay PAYGATE Stera pack
※2022年9月現在の情報。料金は税込表示。 初期費用は、無料キャンペーンが行われていることがあります。
  • 決済端末だけで使えるのは、スマレジのPAYGATEとステラパック。
  • PAYGATEは、4G(携帯電話回線)をサポートしているので、インターネット環境がなくても使える。 ステラパックは、電源常時接続の大き目の端末で、POS機能などのアプリを機器増設なしに追加できる。 レジが広くなくPOSによる管理をしたい店舗に向いている。
  • エアペイはクレジットカードと電子マネーのAirPayと、コード決済のAirPayQRの二つの契約が必要。 決済端末はカードリーダーのため、iPadかiPhoneで通信を行う。 可能なら無料POSレジアプリのiPadPOSのAirREGIを同時に導入したい。

(3)POSレジとの連動

 POS(ポス)とは、Point of salesの略で「販売時点情報管理」と訳されます。物品販売の売上実績を、商品を販売した時点で「いつ・どの商品が・いくらで・いくつ」という情報を記録、集計するシステムのことです。近年はタブレット端末でPOS機能をアプリで提供する製品も増えています。その日の天気やお客様のタイプなどを記録してマーケティングに活用するケースもあります。
 小さなお店でも、キャッシュレス決済とあわせてPOSレジを導入する事業者が増えてきました。キャッシュレス決済とPOSレジを連携させる主なメリットとして、

  • 商品が売れた時間帯や個数などを分析することで、効果的なマーケティング戦略を立案でき、売上アップにもつながる。
  • キャッシュレス決済とPOSレジを連携させることで1回の操作で支払いが完了するため、業務の効率アップが期待できる。
  • さらに、金額を二度打ちすることで間違えて入力してしまうリスクをなくす。

などがあげられます。

以上

※決済サービスは数多くあり、一部のサービスの紹介になっていることをご了承ください。
※記事の内容が古かったり間違っていることがあります。契約前に各社のホームページでご確認ください。
※QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。